962本当にあった怖い名無し :2007/01/23(火) 09:30:22 ID:PxT3uXKm0
私の頭のなかに、今も薄れない記憶があります。
たぶん私が6歳か7歳頃、父方の実家に両親に連れられて里帰りした時の話です。
かつて旅館を営んでいたその実家は、当時すでに築後50年以上の古い家屋ながら、総二階で、大きな座敷から小さな布団部屋まで部屋数も多く、子供にはかっこうの遊び場でした。

記憶のイメージというのは、こうです。
その二階の、普段は使われていない小座敷の、中庭を見下ろす窓ぎわに、中年の女性と小さな私が2人だけで座っています。
その女性は私に、ゆっくり、おだやかな口調で「いえすさま」のお話を聞かせてくれます。
「いえすさま」が、奇跡をおこしてパンと魚を増やし、皆に有り余るほど分け与えたお話。
「いえすさま」が、磔になる前の日に、お弟子さんと食事をしながら別れをつげたお話。
女性の顔は思い出せませんし、曖昧な印象ながら、その話と、2人が座っている場所と、座敷に金色の西日が差し込んで長い影を作っているイメージだけはなぜか鮮明なのです。

10年ほどして高校生になったころ、ふとそれを思い出して、祖母に話しました。
私「たぶんあれは、××のばあちゃんだったんだろうね?」
××のばあちゃんとは、祖母の亡くなった妹のことで、思い当たるとすればこのばあちゃんくらいでした。
けれど祖母は即座に
「それは違うねえ。××はキリストさんの事なんか知らんだったよ」
私「じゃあ誰?親戚か近所に、キリスト教信者のひとは居なかった?」
祖母「居らん居らん、だいたいこの辺りは皆、真宗だけえ。皆ほとけさんを拝むわね」
両親にも話しましたが、心当たりはないといわれました。

あの中年の女性は誰だったのか。
おそらく子供の記憶の断片がいつの間にか作り上げたものなのでしょうが、それにしてはあまりに鮮明で、不思議で、今も忘れられません。
つまらぬ話を長々ゴメンなさい。

972本当にあった怖い名無し [sage] :2007/01/23(火) 22:18:01 ID:lhLlkAHt0
>>962
エホバのおばちゃんとか…
いや、うちに来た時はちょっと違う話だったかな

975本当にあった怖い名無し [sage] :2007/01/24(水) 01:03:44 ID:qrGL5c+f0
962です。
>>972 エホバのおばちゃん…それもありえますね。
ただ、田舎のことゆえ、知らない他人が勝手に家にあがって孫娘と
2人きりで宗教を説くなんて出来ないはずなんですよ。しかも私は
小さい頃、極端な人見知りでしたし…


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