558本当にあった怖い名無し [sage]:2006/01/12(木) 22:42:31 ID:wIhhl3HcO
小学生の頃、夏休みになる度に祖母に連れられ、ある寺に参りに行っていた。
この田舎町から更にバスで30分ほど国道を
山に向けて走った町に、その寺はあった。

寺参りを終え、帰りのバスに乗る為に、来たときと逆方向に
国道の右端を歩いていると、毎回必ず見掛ける物があった。
それ程大きくない人形棚といった感じで、背面と底面が板か何か。
あとは汚れて曇ったガラス張りで、四つ脚が付いている。
中は二段に分かれていて、置物のような物が疎らに飾られてある。
そして、上段の向かって左端に、おそらく人間の頭蓋骨が二つ飾られていた。

薄気味悪かったけど、それを見るのをいつも楽しみにしていた。
ただ、子供心にも「なぜこんな場所に?」と不思議に思うような、
田舎の山と川に囲まれた国道の路肩に、不自然にそれは置かれていた。

行きのバスは当然道路の左側を走るし、寺まではバスを降りて
そのまま国道の左側を歩いて行っていたんだから、
行きにその棚を見掛けていてもおかしくない。
でも、バスの窓からもバスを降りてからも、行きにそれを見た記憶はない。
それは必ず、寺からの帰りにだけいきなり現れた。

当時、それについて祖母とも誰とも話したことはなかった。
20年程過ぎた最近、ふと思い出して母に(祖母は亡くなった)それを聞いてみた。
母は、何度もその道を通ったことがあるけど、見たことないと言う。
自分でも、その道を通って棚を探してみたけれど、
時が過ぎたからか最初からそんなもの無かったからか、
もう見付けることは出来なかった。


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