735本当にあった怖い名無し [sage]:2005/07/12(火) 18:55:18 ID:KjwL5fvr0
まだ10歳前後くらいのときに、「くさむら」っていう友達がいた。
くさむらは家の近所の公園(公園っつってもブランコしかない)にいて、
俺と幼馴染二人とくさむらの四人でよく遊んだりした。
くさむらは背が大きくていつも黒いコート?みたいなものを羽織っていて、
今考えるとくさむらは大人の男の人だったんだけど、なぜかあのころは大人だと思っていなかった。
くさむらはあんまりしゃべらないんだけど、草舟とか草笛とか、野草の見分け方とかを良く知っていて
俺たちにいろんな事を教えてくれたりした。公園以外でまったく見かけないから、
「どこに住んでいるのか」って聞いてみても「ここ」としか言わない。
「今からウチに来いよ」って言っても「ここにいるから、皆で行って来い」としか言わない。
当時はふーん、くらいにしか思わなかったけど今考えるとおかしいよな。

そんでいつもみたいにくさむらと幼馴染達と遊んで、家に帰って普通に眠ったら、
誰かが俺を呼んでたんだ。夢と現実が半々くらいの状態で俺はかなり寝ぼけてたと思う。
もしかしたら呼んでたのはオカンだったかも。でもなぜか俺は「くさむら」だと思って、夜中家を抜けて
いつものくさむらがいる公園に向かった。案の定くさむらは公園のブランコに一人で乗ってこっちを見てた。
俺の記憶はそこで途切れて、気づいたら朝になってて俺は公園で眠ってた。いっぱい虫にくわれてた。
親父とかオカンが血相変えて近所探し回ってたみたいで散々怒られた。
くさむらと遊んでた、っても誰も信じてくれない。くさむらも公園からいなくなってた。

それから何日かして公園は更地になった。草もボーボーでブランコも錆付いてて危ないからだって。
くさむらは二度と現れなかった。

ホームレスか何かだったんだろうか?
最近地元に帰って、幼馴染達に聞いてみたらそいつらもくさむらのこと覚えてた。
でも不思議なことに、三人ともくさむらの見えてた姿が違ってた。
俺は黒いコート、もう一人はマックのピエロみたいな格好、あと一人は小さい男の子。
今でも時々思い出す。公園はもうないけど、くさむらはどこに行ったんだろう。


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