287 名前: おさかなくわえた名無しさん 投稿日: 01/12/06 15:32 ID:wl44vnJd
小学校高学年の時、隣町まで本を買いに行った帰り道。
日頃から寄り道(散歩)するのが好きだった俺は、
その日も見知らぬ細い道を見つけ、わくわくしながらそこを進んだ。
暫くすると、片側一車線の道路に出た。
「へぇ、こんな広い道もあったんだ(当方出身、マジ田舎)」と思い、
少し進んだら、なんと、いきなり海が広がっていた!!!。
その辺りからは自動車で10分以上走らなければ、
とてもじゃないが、海へと出るような場所ではない。
まして、近くの海は必ず、砂浜と松林があるというのに、
そこは民家が真横にあり、道路が直接海へとつながっていた。
その時俺は、それを不思議にも思わず、
「こんなとこに海があるのか…。またこようっと」と思って、
その日はそれで帰った。
もちろん、その後、その町であの海を見たことはない。
高校生になって、その道を辿ってみたが、
そこはコンクリートの崖で行き止まりだった。
だが、幻想であるはずがない。
心地よい潮の香り、優しい波の音、水面に反射してきらめく日差し、
そして、自分がそこにいたことを、
そこに立った時に、俺はしっかりと覚えていた。
陽の当たらない道の下で。

長くなってしまった…。


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