926926 [sage] :04/08/02 03:59 ID:5Kxuj4yp
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それは、去年の夏でした。

冷夏で、夏らしくないある日。
私は母と一緒に果物を食べに行く日帰りツアーに参加しました。
向かう途中ガイドさんから「正直今年は寒くて出来は良くないと思います」
と、バスの中でアナウンスがありました。
すると、後方の席でものすごい勢いで怒りまくる声がしました。
まぁ、案の定「イタイご婦人」3人組でした。
「私は桃が食べ放題だから参加したのよ!なのに不作ってなによ!」
「私は梨(ry」
「私は(ry」
各々目的の食べ物を叫びながら、ガイドさんに詰め寄って、ちょっと雰囲気が悪くなりました。
しかし、昼食の場所につくとコロっと態度を変えて人一倍食べて騒ぎ、機嫌もよさそう。
一安心で、果樹園に移動したのですが、やはり冷夏のせいで果物はおいしいとは言えない物でした。
そこで、またご婦人大暴れです。(状況は察してやってください)
ひと暴れしてすっきりしたのか、ご婦人達は果樹園の外に向かっていきました。

927926 [sage] :04/08/02 04:00 ID:5Kxuj4yp
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前置きが長くてスイマセン。
問題はここからでした。

冷夏でしかもここは高原なので吹く風はとても夏とは思えない冷たさです。
しかし急に風がピタリとやみ、むわんとした生暖かい空気があたりを包みました。
そして「ケケケケケ!キキキキキ!キャッキャッキャー!」となにか動物?の鳴き声がしました。
その瞬間、園の人がものすごい形相でこちらに向かい走ってきます。
ガイドさんの腕をつかみ、なにやらヒソヒソと話をすると、そのまま園の外に向かって走っていきました。
「なにかあったのかな?動物でも跳ねられたか?」
と、私と母は出口方面に向かって行くと、そこにはあのご婦人達が狂喜乱舞のごとく喚き散らしていました。
私はびっくりして周りを見回すと、目の前に広がった田んぼに、なにやらクネクネしたものが動いています。
「あの…あれなんですか?」
園の人がちょうど傍にいたので聞いてみると
「だっ!ダメだ!見ちゃなんね!」
顔面蒼白です。ものすごい表情で私達をまた園の奥に連れて行きました。
「アレの事は忘れたほうがいい!アレが何なのかも考えちゃなんね!」
と言い、また園の外に向かっていってしまいました。
その間も、あの奇声が静かな空気を引き裂いてました。

帰りのバスには、あの3人組はいませんでした。
ガイドさんが言うには、体調が悪く病院へ行ったとの事でした。

でも、私にはあの3人の陶酔したような、恐怖のような表情が頭にこびりついて忘れられません。

934本当にあった怖い名無し [sage] :04/08/02 16:37 ID:wHbVwIV3
>>926
こえ?くねくねケケケッて笑うのか!

936926 [sage] :04/08/02 18:54 ID:5Kxuj4yp
場所は、その果樹園に悪いので言えませんが
東北地方の果物産地とだけお知らせします。
園の人たちは、それはとてもいい人たちでしたよ。
今年は天気もいいし、おいしい果物が実っていると思います。

ケケケーの声は、ご婦人達の声でした。
アレは、音も無くただただ くねくね していただけです。
色は白く、緑の田んぼによく映えていました。

これは余談なのですが、
アレからなにかしろっぽい蒸気?のようなものがたっており
その蒸気はご婦人達の周りにも纏わりついてました。
でも、その周辺にいたガイドさんや園の人たちには
蒸気は避けているように見えました。

アレの怒りを買うと、やばいのかもしれません。


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