514 名前:本当にあった怖い名無し [sage]:2007/09/10(月) 00:25:08 ID:xiZdegjl0
祖父母に自分の結婚式を見せて、ひ孫を抱っこさせるのが小さな夢だった。
念願かなって結婚式はなんとか見せることができたんだけど、
それから3ヶ月ほどで祖父は他界してしまった。
建築家だった祖父は、新居を見に来るのを楽しみにしていたけど、
その予定の日の前日に体調を崩し、三日後には入院してそのまま亡くなってしまった。

ある日、家でぼーっとしていると、背後から祖父の声がした。
「今度来たとき食べるから、パンここに置いとくわな」

変な空耳だなぁ、しかもここ(背後)って押入れじゃん、化けて出たにしてもじっちゃん意味わかんねえ!
よっぽどうち見に来たかったんだなぁ、なんて微笑ましく思った。
置きパンなんかしなくても、じっちゃんが来たら寿司くらいは余裕で取っちゃうのにつつましすぎるよ。

ベタだけど、その後、妊娠が発覚、じっちゃんのパン発言あたりで受胎したっぽかった。
じっちゃんの生まれ変わりとまでは思わないけど、
それでも息子には手作りパンをいろいろ食べさせてあげようと思う。


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