852 名前:本当にあった怖い名無し [sage]:2007/06/13(水) 04:24:27 ID:DM74AejEO
実家の居間には押入れがあって、その中には裁縫道具やら文房具やら
親父とお袋の道具がいろいろとしまってあった。

小学生の頃の話。
学校から帰ってきて居間に入ると、その押入れの中から妙な音楽が聞こえる。

昔の携帯電話の着メロみたいな単音で(当時はポケベルすらなかったけど)、
なんだろうと思って押入れに近づいたら、音楽が止まった。

不思議に思いつつも居間から出ようとすると、また音楽が鳴る。
で、近づくとまた止まる。
こんなことを4〜5回繰り返した。

埒があかないので思い切って押入れを開けてみると、そこには
スロットマシン型の貯金箱がポツンと置いてあった。

硬貨を入れるとスロットが回せて、絵柄が揃うと音楽が鳴るやつ。
どうやらこの貯金箱が音楽を発していたらしい。
でも絵柄は揃ってないし、中にはお金も入っていない。

子供心に、妙に可哀想な気がしたので、手持ちの10円玉とか5円玉を入れてしばらく遊んだ。

絵柄が揃うと、さっきまで鳴っていた音楽が流れた。

その音楽が鳴り終わったあともしばらく遊んだけど、
絵柄が揃ってももう二度と音楽は鳴らなかった。

親に話したところ、昔親父が買ったものだというのはわかった。
その後、実家の建て替えがあって、それからはその貯金箱は見てない。

俺の数少ない不思議体験。
不思議と怖くはなかったけど、今でもハッキリ覚えてる。


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