197本当にあった怖い名無し [sage]:2005/08/06(土) 10:56:47 ID:3NZn/lqm0
埋立地に作られた公民館の隣に、記念碑とそれを置いた小さな広場がある。
記念碑は大きなもので、特に横にデカい。
子供の頃は、それによじ登って遊んでいたものだ。
(裏側にある「定礎」を刻んだ部分に足を引っ掛けると、子供でも簡単に登れた)

だけど俺は、その岩の塊を「墓」だと思っていた。
何故なら「その下に、女の人が埋まっている」という記憶があったから。
だから登って遊ぶのは嫌だった。

俺が生まれる前に作られた場所だから、俺自身が埋葬される現場を見たわけでもない。
埋立工事が完成したときの記念碑なんだから、誰かを供養する為に建てられたものでもない。
例えそうだったとしても、墓の上で遊ぶ子供達を大人が注意しないわけがない。
(実際大人たちの前で、登ったりして遊んだ記憶もある)
それに、なんで埋まっているのが「女の人」だと記憶しているのか。
まぁ、あまりにも非現実的な話だし、少し前まで「子供の頃の妄想だろう」と思っていたんだけど・・・

小学校の同窓会で、久し振りに会った友達の何人かが、俺と同じ「記憶」を持っていたから驚いた。
誰にも言った事はないし、誰に聞いたわけでもないと彼らは言う。
それは俺も同じだ。
だけど「埋まっているのは女性」で「頭はどっちの方向か」という部分まで同じ様に記憶しているのだ。

間違いなく、この記憶は間違っている(と、思う)。
では何故、俺や友人達は「間違った記憶」を共有していたのだろう。
今でも分からない。


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