921本当にあった怖い名無し [sage] :2005/12/27(火) 21:47:19 ID:/s6p34O90
子供のころ、よくど田舎にある親戚の家に遊びに行っていたんだけど、
そこはトイレがぼっとんで、しかも外にあって、明かりも裸電球の小さいのだったから、
子供は怖がって、夜は玄関出てすぐのところにある前庭で用足ししてた。

自分が小学校入るか入らないかのころ。やっぱり夜、用足しに前庭に出た。
田舎のことだから玄関開けっ放し。そこからもれてくるオレンジの明かりの中、大人が
やってる宴会の騒音聞きながら、土蔵の壁に向かって用を足しつつ、なんとなく
家の反対側に目を向けてみたのね。
前庭は駐車場兼用で広いけど、門とかはなくて、出てすぐ道路につながってる。
夜のど田舎、街灯もろくにないし近所の家ももう明かりが消えてて、道路は真っ暗。
怖いなあと思っていたら、ふいにその道の奥から、なんかが近づいてくるのが見えた。

本当に暗いので、たとえば人が歩いてきてもおぼろげな影にしか見えないはずなんだが、
それは妙にぼんやり、青白く光っていた。
大きさは大人くらい。それが歩くのではなく、ぴょん、ぴょん、と飛びながら、三体縦に並んで
こちらに近づいてくる。顔も、手足もはっきりしない。ちょうど人がシーツかぶったみたいな容貌。
子供の自分にはムーミンのにょろにょろに見えた。

何でにょろにょろがここに?と思いながら、おしっこ止まらないんでそのままぼんやり
見守っていると、それは飛びながらあっという間に近づいてきて、前庭に入ってきた。
車の前を過ぎ、土蔵の前(自分の背後)まで来たあたりで、急にぼわっと家の二階に届くくらい
膨れ上がったかと思うと、またすぐすうっと縮んで、自分のことなどまるで無視したまま
開けっ放しの玄関から家の中へ入っていった。

あわてて立ち上がって玄関に駆け寄ると、いつまでたっても戻ってこない自分を心配した
母がちょうどたっていた。
今見たものを話したけれど、当然見てないというし、信じてもらえなかった。
それから夜のトイレのたびに、またきたらどうしようと道路の向こうをうかがっていたけど、
その後は一度も見たことはない。


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