530 名前: おさかなくわえた名無しさん 投稿日: 01/12/18 00:32 ID:+rMLoXpM
小学校の頃「合歓木(ネムノキ)」って言う木の名前をある本で知った。
と言っても写真とか載ってたわけでもなく
その木の特徴が書かれていたわけでもない。
ただ「合歓木」という名前だけ。
植物なんかまったく興味なかったのに
何故かその名前だけが印象に残った。
あえて調べたりとかもしないまま、何年も過ぎた。

中学生になったある日、下校中の道路のわきに大きな木を見つけた。
ピンクのポンポンみたいな可愛い花が咲いていた。
直感的に私は「これが合歓木!」って思った。
それまで何年もその道を通っていたのに
なぜその木に気づかなかったのかはわからない。
とにかく家に帰って図鑑を調べ、合歓木の写真を見つけた。
それはまさしく私がさっき見てきたのと同じ木だった。
なんだかわくわくして、次の日学校の帰りまたその道を通った。
(帰りだけ、友人の家の方向に合わせて朝とは別の道を通る習慣だった)
「またあの木が見れる!」
って思っていたのに………ないのよね。
私はびっくりして
「昨日あそこに木があったよね。私、きっとあれが合歓木だ!って指さしたよね?」
って確認したら友人は
「そうだっけ…?よく憶えてないけどー」
「昨日はあそこにピンクの花が咲いた木が生えてたんだよ、おっきいのが」
友人に待ってもらって自転車から降りて場所を確認したけど、
木を切ったあとなんかないし
場所を間違えたのかと思ってそのへん捜したけど、やっぱり見あたらない。
地元だし、ずっと一本道だし間違えるわけないと思う。
「おかしい……絶対見たのに!」とすごく納得いかなかったが
友人は「気のせいなんじゃない?」って興味なさそうだった。
それっきり。

今でも時々思い出しては一人で不思議がってる私。


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