6081/2 [sage]:05/01/09 19:13:22 ID:gcxPp9jR
妖怪なのかわからんが自分の昔話を晒してみる。

自分が小学生だった頃、学校のオリエンテーションと称して年に一回近所の山に登らされた。
山登り自体は嫌いじゃないのだが、いかんせん自分は足弱なため、いつも自分の班と離れてしまい、後ろの班と一緒にゴールすることが多かった。
3年生のとき、その年も例のごとく自分の班に置いていかれてしまい、しばらく一人で木々の生い茂る山の中を進んでいた。
一人は流石に寂しかったのだが、道はわかりやすい一本道だし、すぐに後ろの班が来るだろうと思って安心していた。
だが。幾ら進んでも後ろの班は来ないし、誰も来ない。後ろで何か事故でもあったのか、と思い、不安になりながらも進んだ。
そのオリエンテーションにはいくつかチェックポイントが有って、そこには先生が居て、示されたキーワードをノートに書いていく、というシステムだった。
道の途中でいくつかそれらしき場所はあった。小さな木のテーブルがあって、その上に自分の小学校の名前と動物の絵が書いてある紙がおいてある場所があり、自分はそれをメモしながら進んでいった。先生はおろか、そこには誰も居なかった。
そのうちにチェックポイントも見当たらなくなり、延々と続く森の道をベソをかきながら歩いていた。
そのとき、すぐ後ろの方で「そんなことしても止まらんぞ、はなしてあげなよ」という声がした。女の人の声のようだったが、後ろを向いても誰も居ない。

6092/2 [sage]:05/01/09 19:15:22 ID:gcxPp9jR
とうとう恐怖がピークになって、自分はギャーギャー泣き叫びながら走り出した。
不思議なことに、それから幾らもしないうちに森を抜け、ゴールに着いた。
ゴールに着くと、既に自分以外のメンバーは到着済み。いくら待っても自分が出てこないので、先生方が集まって捜しに行こうとした矢先に、自分が泣きながら飛び出してきた、という次第。
「なんで道から外れたんだッ!」と怒る先生方。自分は「外れてなんかいないもん!先生だってチェックポイントに居なかったじゃないか!」と反論する。
証拠のキーワード(動物)のメモを見せると、先生方は不思議そうな顔をした。キーワードは全部合っていた。
そのとき、それを見たベテランの女の先生が、もう帰ろう、遅くなりますよ、と声をかけたので、その場はそれで終わった。

卒業してからしばらくして、その女の先生に再会。
その時のことを話すと、「十年に一度くらい、同じようなことがあるのよ。みんながあんまり楽しそうだから、お山がいたずらしてるんだろ。」と笑いながら答えてくれた。
そんなものか、と思ったが、あの言葉は一体、誰が誰に向かって言った言葉なのか、何が止まらないのか、不思議さは募るばかり。

1001 名前:ピースさん [Re:はなしてあげなよ] 2009/02/04 04:42:14
きっと妖怪(?)は二匹いて、
一匹の妖怪が迷わせてあなたが止まるように
していたんじゃないですか?
それを見てもう一匹の妖怪があきれて
「そんなことしても止まらんぞ、はなしてあげなよ」
と言ったような感じがしますね。
足を止めてたらあぶなかったかもね。


このエントリーをはてなブックマークに追加    
「不思議な話」リンク集