231鳥尾 1/5 :04/06/30 00:07 ID:vCPYhWXr
3年前の夏、家族で四国へ旅行に行った。
高速のICからかなり奥へ入った田舎に宿泊した夜、子供(まだ乳
児)が40度の熱を出したので救急病院へ向かった。
宿泊地を出発したのが午前1時頃。宿泊地から最寄りの救急病院ま
では約30kmもあったので、集落以外は灯りの無い道を車をとば
した。かなりややこしい道順であったのだが、カーナビが広域、詳
細の2画面表示だったため迷うこともなく、それでも病気の子供を
同乗させていたので慎重に走り、小一時間かかって病院に着いた。

処置を受け、病院を出発したのは午前2時半をかなり過ぎた頃だっ
た。一旦、来る時に降りたICの近くを通る道順であり、そのまま
宿泊地へ向けて、前日の午前中に通った道を走った。

広域農道らしき道から、一部開通しているバイパスらしき道へ左折し
て入った時だった。
左側の歩道を老婆が歩いているのに気づいた。
街灯も灯っていないのに闇に浮かぶ白い服装が、やけに目に付いた。

232鳥尾 2/5 :04/06/30 00:08 ID:vCPYhWXr
闇の中、やけにはっきり浮かび上がった姿が少し気持ち悪かったが、
既に午前3時ということもあり、年寄りの中にはこんな朝早く(?)
から起きている人もいるのだろうと理由づけて、やり過ごした。
ただ、気味が悪いので、ルームミラーやドアミラーでは後ろを確認
しなかった。案の定、なにも起こらなかったのでホッとしていた。

しばらく走っていると、前方にトンネルが口を開けているのに気づ
いた。
あれっ? こんなところにトンネルなんてあったっけ?
と疑問が頭をかすめた。目のはしでカーナビを確認したが、地図上
にはトンネルの表示はなく、経路はそのまま続いており、バイパス
の終端(約1kmほど先だったと思う)で旧道に折れていた。
なんだ? なんだ?
と少しパニックに陥りかけたものの、トンネルまでの間には交差点
はなく、さりとてUターンしようにも立派な中央分離帯が邪魔をし
ていて無理だった。
そして俺たちを乗せた車は、そのトンネルに吸い込まれるように入
っていった。

233鳥尾 3/5 :04/06/30 00:08 ID:vCPYhWXr
トンネルの中は照明もなく、ヘッドライトが届く範囲以外は塗り潰
したように闇が広がっていた。
ふと、目のはしで光がチラチラしているのに気づいた。目のはしで
確認するとカーナビだった。カーナビは
ルートから外れました。経路を再計算中です。
の表示を写していたが、そのバックに写っているはずの地図はなぜ
か画面が乱れており、その明滅が俺に更なる異常を感じさせた。
そういえば、トンネル内特有の走行音の反響もなかった。

と、唐突に車はトンネルの外に出ていた。事前に出口の明かりを感
じなかったにもかかわらず。
風景は一変していた。トンネルに入る前は田畑の中に家が点在して
いたのだが、そこは急峻な山間部だった。中央分離帯付き2車線の
バイパス風だった道路も、いつの間にか分離帯の無い対向2車線の
山道に変わっていた。
俺はスピードを落としつつ、もう一度カーナビに目をやった。

234鳥尾 4/5 :04/06/30 00:09 ID:vCPYhWXr
カーナビは通常の画面表示に戻っていた。しかし、その広域表示画
面には先ほどまでの四国の地名は写っていなかった。
どこだ?
ふと、画面の隅の方に○見という地名が見えたような気がした。そ
の地名は俺には南東北の町の名しか心当たりがなかった。

俺は反射的に車を止めるとUターンをし、来た道を戻り始めた。今
思い出すと恐ろしいことだが、前後の確認はしなかった。後続車や
対向車が無くてよかった。と、それは後の話。
息子を抱いている妻が後ろの席から、どうしたの、と声をかけてく
る。いや、道を間違った、とだけ答え、俺は車を走らせた。
ほどなく、先ほどのトンネルに入る。やはり違和感のあるトンネル
だ。カーナビもまたもやルート再計算の表示。バックの地図は乱れ
ている。
と、往路の時と同じく唐突にトンネルから抜け出た。先ほどの中央
分離帯付きの道だ。カーナビも四国の当該地を写している。
俺は後ろを確認せず、最初の交差点を折れて旧道に入り、宿泊地を
目指した。

235鳥尾 5/5 :04/06/30 00:10 ID:vCPYhWXr
無事に宿泊地に着き短い仮眠のあと、その地を離れ自宅へと帰った。
帰りには同じ道を走ることとなったが、トンネルはどこにもない。
トンネルに入ったとおぼしき地点は、なんの変哲もない田舎の風景
が広がっていた。

自宅に着いてから確認したが、車にもなんの異常もなかった。
あれはなんだったのだろう。
もし、あの時Uターンせずにそのまま走っていたならば、どこにた
どり着いたのだろうか。

236要約 [sage] :04/06/30 00:28 ID:5dY/d3I0
3年前の夏、家族で四国へ旅行に行った。
広域農道らしき道から、バイパスらしき道へ入った時だった。
歩道を老婆が歩いているのに気づいた。
しばらく走っていると、前方にトンネルが口を開けているのに気づ
いた。
Uターンしようにも中央分離帯が邪魔をしていて無理だったので入った。
唐突に車はトンネルの外に出た。風景は一変していた。
そこは急峻な山間部だった。カーナビには先ほどまでの四国の地名は写っていない。
ほどなく、先ほどのトンネルに入る。先ほどの中央分離帯付きの道に戻ると、
カーナビも四国の当該地を写していた。
宿泊地に着き仮眠のあと、その地を離れ自宅へと帰った。
帰りには同じ道を走ることとなったが、トンネルはどこにもない。
もし、あの時Uターンせずに走っていたならば、どこにたどり着いたのだろうか。

259鳥尾 :04/07/01 01:07 ID:W0hsYQeT
>地名
只●です。が、ちゃんとじっくり見たわけではないので、
そう見えたような気がするだけです。
何とも頼りない話で、すみません。

>>5-7
自己レス。
座敷童だったら、ただの子供の霊の方がいいかも。
座敷童だと、自宅からいなくなった時に酷いことになりそうですもんね。

私の体験談はこれで尽きましたので、
以降、名無しorROMに戻ります。
駄文、乱文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

260あなたのうしろに名無しさんが・・・ [sage] :04/07/01 01:17 ID:Y8BSdCzl
>>259
福島県ですな


このエントリーをはてなブックマークに追加    
「不思議な話」リンク集